琵琶湖よし笛の特徴

 菊井式『琵琶湖よし笛』は、筆者が、1998年創作考案しました。琵琶湖「西の湖」産のよし笛で、考案の目的の一つには、誰にでもすぐに吹けるように考えたことです。スダレの上下に使われている「竹」を頭のマウスピースに冠し、最大2オクターブの音域をカバー出来、外観は「葦」の風合いをそのまま活かしていること大きな特徴です。  琵琶湖よし笛は、葦原にそよぐ風をイメージ出来る、素朴でサラサラとした植物性のアルファ・クリスタルの癒しの音色を醸し出します。

■方 式
竹製のマウスピースを装着したよし笛を「菊井式よし笛」と呼びます。 細い葦の中にうまく空気を入れるための部品で、今までのよし笛にはありませんでした。そのほか、発見した形状・規格・音程・音質などの基本原理は、今のよし笛の基礎となっており、音色・豊かさ・繊細さなど、安定したバランス感覚を保ちます。

■形 状
琵琶湖の自然環境を考える経験と活動の中から生まれ、葦原の自然な姿を表しています。形状は、葦特有の細さをうまく捉え、琵琶湖「西の湖」に生える葦の姿そのままを基本とし、自然な葦らしい音色を保ち、葦とスダレの竹だけを使った人の耳に優しい葦原の風合いを大切にしています。長さは
全長約240mm(F管)で、穴数は7個と定めました。最適な太さは、女性の小指の太さのイメージになります。

■素 材
琵琶湖よし笛は、植物学上の
『イネ科』『ヨシ属』『ヨシ』に分類された「西の湖」の葦を使っていて、大変細く肉厚も薄く弾力性があります。 外径は、口元の太い部分で、12,5〜13,5ミリ内に限定、3年以上自然乾燥したものを使用しています。葦本体は繊維質の多孔質の葦ですから、人の皮膚のように息をしています。
本体に塗装など行い、必要以上に加工すると厚いガラス質のようになり、音色は野太い竹筒を吹いているような「ひちりき」に近くなります。太さなどの他、形状が変わると「葦の声」とは異なり、竹のようで竹でもない、きつい人工音に変質します。(実験済)
葦はもともと細く弱いものですから、その弱さを活かしたふさわしい音色を掴み菊井式の特徴としています。演奏程度の圧力では、無理な外圧を加えない限り割れたということは聞いておりません。

■音 色
葦の自然の姿が生み出す
葦そのままの音色を特徴としています。山間から浸み出す渓流や小川のせせらぎ、葦原にそよ風が通り抜けるように、サラサラとしたささやくような清涼感あふれる植物性アルファー・クリスタル音が耳に心地よく楽しめます。人の顔が一人一人皆違うように、葦も一本一本姿が異なります。複数人で吹くと、人と人が合唱するように、非常に落ち着いたさわやかなコーラス効果が生まれることから、筆者は「葦の声」と名付けています。葦の繊維をフルに活用した音の躍動感と、どの楽器にもない音色感をお楽しみください。

■音階音域
菊井式は、他の楽器とよし笛の限界点を研究し、ピアノのファの高さの音階からはじまる「F管」をよし笛の標準楽器と決めました。空気を吹き込むだけで、誰でも簡単に音が出せる構造としました。出音は理論上、最大2オクターブ半まで出せますが、通常は1オクターブ半強程度が使用されており、余裕を持って演奏できます。演奏曲は、日本の唱歌、小クラシック音楽まで、幅広く様々な曲をお楽しみいただけます。ただ、植物楽器の宿命で、周辺の温度差により、1〜3ヘルツのピッチ差が生じるため、演奏には、ひちりきのように一定の温度を保つ工夫が必要です。琵琶湖よし笛の音程は、温度などの環境変化にも対応できる基準としています。

■指使い
指使いをよくするため、穴の大きさは、
男女・子どもから高齢者まで対応できるよう小さく、押さえやすくしています。穴が大きかったり楕円形だと隙間が出来、空気が漏れやすく割れやすくなって、音質もこもり鈍くなります。琵琶湖の葦は非常に細いため、穴は小さくしています。細く小さいことを利用し32分音符などの非常に早いテンポの曲にも対応でき、息使いの強弱感や音の柔らかさなど、豊かな表情と繊細な響きを出すことが出来ます。(実演 奏をお聴きください。)
よし笛は、「フーっ」ではなく、「ホーっ」と優しく吹くのがコツで、表現も繊細に、かつ自由にコントロール出来なければなりません。手引き書『琵琶湖よし笛を楽しもう』(購入時添付)をご一読ください。

■保 管
通常の使用で自然に割れることはありませんが、使用後は必ず添付のケースに入れ、記載の注意事項を守ってご使用ください。正しい保管のもとでは、最低5年以上の使用に耐えられます。マウスピースの口元に付けているセロハンテープは、汚れ防止ですのでそのままお使いください。口紅などで汚れたら張り替えるなど、続けて気持ちよくお使いいただけます。持ち運びは非常に手軽で、バッグなどからでも、スッと出して、屋外でも急に演奏出来る便利さがあります。デザインなど自由にアレンジすると、自分だけのかわいい首掛けよし笛グッズが出来ます。特に、山の中などでも小鳥や動物も喜ぶ、よし笛と動物との演奏が楽しめたりするので、是非お試しみください。

■教則本指導書
本品には、はじめてよし笛を手に持たれた方のために、よし笛がマスター出来る『琵琶湖よし笛を楽しもう』(入門編)を無料添付しています。手引き書では、吹き方の姿勢と基本、腹式呼吸の仕方、空気圧の加え方、メロディの作り方、基礎練習楽譜を付け、その他の取り扱いなどについても、一気にフルに掲載し、これ一冊でよし笛の基礎がマスター出来ます。このホームページでご試聴もできます。「琵琶湖よし笛」は、丈夫な葦紙製箱入りにより、保管・持ち運びに便利なケース入 りです。内ケースは、自分だけの自由なデザインをアレンジできます。

■公式基準楽器
日本よし笛協会は、菊井式「琵琶湖よし笛」を当協会の公式基準楽器と定めています。筆者以外に製作されたよし笛については、協会公式基準に基づき複数審査が行われ、審査を通過した認定品(表記あり)が演奏に使用されていますから安心・安定した演奏が可能です。

■演 奏
琵琶湖よし笛や協会認定のよし笛を使用して演奏する演奏家や団体の紹介は「日本よし笛協会」のホームページをご覧ください。「菊井式よし笛」を使った演奏は、繊細な優しのタッチを醸し出します。オクターブの高低差や、楽譜での音から音への移りが非常にスムーズなことがお感じいただけます。 ソロ演奏のほか、アンサンブルでの演奏、また他の楽器と組み合わせた演奏手法など、どれも植物の葦らしく自然に聞こえるよう改良し、演奏の際には無理なく自然な幅を持つことが出来ます。ちょっとした工夫次第で一味違った演奏がお楽しみいただけます。
演奏習得は、最寄りの日本よし笛協会加盟の自主サークルを作り、グループで加入されると便利です。また、実際の手法や音色を直接耳でお確かめいただくには、このページで紹介している筆者が講師を勤める塚本楽器店にて単発でも一度受講くださることをお勧めします。

■その他
耐用年数を保つための防湿及び破損防止処理を施し、取り扱い注意など本品仕様書に表記しています。

■コピー品について
「琵琶湖よし笛」をそのまま複製変形する行為は、個人が楽しむ以外、著作権法により
原作者の承認が必要です。著作人格権並びに同法27条に抵触する類似品の製作、また商標の類似使用、菊井式よし笛の認証表示がないもの、製作者不詳などの行為は禁止します。
愛好者に正しい説明のつかないことや、事実を曲げ一般の使用を混乱・混同させるなどの不自然な行為は堅くお断りします。